起業は「不景気」にこそチャンスあり?世の中の逆を行く成功戦略
コンサルタントの竹中です。
ご存知でしたか?日本は世界TOPクラス並みに中小企業が多い国です。なぜこれほど多くの中小企業が存在するのか、その理由は多岐にわたりますが、今回はその中でも、これから起業を志す方にとって非常に重要なテーマ、「起業のタイミング」について、私の考えをお話ししたいと思います。
「起業するなら、やっぱり景気が良いときが良いんじゃないか?」「世の中にお金がたくさん回っている好景気の方が、ビジネスチャンスも多いだろう!」多くの方が、そう考えるのではないでしょうか。活気のある市場を見て、「今だ!」と波に乗りたい気持ちになるのは自然なことです。
一方で、「景気が悪いときに起業なんて、商売が大変で失敗するんじゃないの?」と、不景気時の起業にネガティブなイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、私の持論は少し違います。私は、「起業は不景気の時にこそ起こすべき」だと考えています。そして、景気が良い時に勢いだけで起業すると、かえって失敗するパターンが多い、と感じています。一体なぜでしょうか?
「好景気」起業の落とし穴:焦りと体力勝負
景気が良い時に起業するデメリット、それは「焦り」が生まれやすいことです。周りが次々と成功しているように見え、自分だけ乗り遅れまいと、十分な準備期間を取らずにビジネスを立ち上げてしまう傾向があります。
好景気の追い風もあり、ビジネスは始めはそこそこ上手くいくかもしれません。しかし、焦って****立ち上げているため、ビジネスモデルの詰めが甘く、組織力も弱いままスタートしてしまいます。軌道に乗ってきたところで「もっと事業を拡大しよう」「組織を強化しよう」と考え、優秀な人材を確保しようとしますが、好景気時は有効求人倍率が高く、優秀な人材の獲得は非常に難しいという壁に直面します。
また、景気が良い時は国も企業に対する支援にあまり熱心ではなく、資金調達に苦戦することもあります。そして、いつか必ず市場は冷え込みます。好景気が終わり、不景気に差し掛かると、市場は一転して「シェアの奪い合い」「価格競争」が勃発します。ビジネスモデルが固まっておらず、組織力も弱い、つまり体力が弱い企業は、この厳しい競争についていけなくなり、最終的に撤退(倒産)という失敗に終わるパターンが多いのです。
景気が良い時に周りの人が一斉に走り出すのを見ても、一緒に走り出さず、周りが走り疲れて立ち止まった時にこそ走り出す。これが、「世の中の人の逆を行け」という私のメッセージであり、起業の成功戦略だと考えています。
「不景気」起業のメリット:準備と支援と優秀な人材
では、なぜ不景気の時にこそ起業すべきなのでしょうか?不景気と聞くと、ネガティブなイメージしか湧かないかもしれませんが、起業家にとっては成功へのチャンスが多く眠っている時期だと捉えることができます。
- じっくりとビジネスモデルを練る時間がある: 不景気時は市場全体が停滞しているため、好景気時のように焦る必要がありません。時間をかけて、あなたのビジネスモデルを徹底的に検証し、顧客のニーズを深く掘り下げ、サービスや商品の質を高めることに集中できます。基礎をしっかりと固めることができるのです。
- 競争相手が少ない: 景気が良い時は多くの人が起業に参入しますが、不景気時は起業をためらう人が増えます。つまり、競合が少ない中でビジネスをスタートできる可能性が高いのです。これは、市場でのポジションを確立する上で非常に有利に働きます。
- 優秀な人材を確保しやすい: 不景気になると、企業の採用が抑制されたり、リストラが行われたりするため、転職市場に優秀な人材が多く出てきます。好景気時には採用が難しかったような人材を、比較的採用しやすくなる傾向があります。強い組織を作るための重要な条件が揃いやすくなります。
- 国の支援が手厚くなる: 不景気時には、経済を活性化させるために、国や自治体による起業への支援策が手厚くなります。補助金や助成金、融資制度などが充実する傾向があり、資金調達の選択肢が広がります。これは、起業の初期段階における資金的な負担を軽減する上で非常に有効です。
もちろん、不景気時の起業にも困難は伴います。市場全体が冷え込んでいるため、顧客の財布の紐が固くなったり、売上を伸ばすのに苦労したりすることもあるでしょう。しかし、こうした厳しい環境でビジネスを成功させることができれば、それはあなたのビジネスモデルが本当に強く、本質的な価値を持っている証拠となります。そして、不景気という逆境を乗り越えた経験は、その後のビジネスを安定させるための強力な力となります。
最後に:タイミングを見極め、逆転の発想で成功を掴む
起業は、ビジネスのアイデアやあなたの情熱だけでは成功しません。市場環境という「タイミング」を戦略的に見極めることが非常に重要です。
多くの人が立ち止まる「不景気」という時期にこそ、じっくりと準備を進め、必要なリソースを確保し、市場が回復した時に一気に走り出せる体力をつける。これが、世の中の逆を行く、賢い起業家の戦略だと私は考えています。
もしあなたが、起業に興味がある、いつか自分のビジネスを立ち上げたいと考えているなら、景気の波に感情的に左右されるのではなく、市場環境を冷静に分析し、不景気という時期にこそチャンスを見出す視点を持ってみてください。
起業に関する不安や、あなたのビジネスアイデアをどう具体化すれば良いか悩んでいるなら、私たちキャリアコンサルタントにご相談ください。あなたの起業への想いを丁寧に伺い、市場環境を踏まえたタイミングや、成功に向けた戦略を一緒に考え、あなたの起業という挑戦を全力でサポートさせていただきます。
起業に関するお悩みや、具体的なビジネスの立ち上げについて話を聞いてみたいと思われた方は、ぜひお気軽に弊社のホームページよりご連絡をお待ちしております。あなたの逆転の発想での起業を応援しています。